神経質自由研究

神経質治療

原因の如何を問わず実践第一(森田正馬)

治療上第一の直接の要点は、

 

自分の不快や不安の気分を一掃するために、決して色々に判断し或は研究して之を解決しようとしてはなりません。

 

只不安、苦痛のままに日常の仕事をし、 又は自分の好きな事をして日を送ればよいのであります。

 

それは「重きを負ひて遠きを行くが如し」で、苦痛をしのびながら、

日常の生活をして行けばよい。

タッタそれだけの事です。

 

色々理屈を知るために、却ってあやまりたる人生観におち入り、強観となるので、

むしろ何も知らないで人並にやって行けばよいのです。

実際に治るのに、只実行だけでよいのですけれども、しかし人は例えば畳のヤケ穴でも、気がつかなかった前には何でもないものが、

一度偶然に気がついて目に見えれば、其後は之が見えない様に気にならぬ様にする事の出来ぬと同様に、

一度出来た知識は其ままこれを思いすてる事も出来ません。

況や強観に於ておやです。

 

仕方がないから只苦しいままにこらえてやって行くより外ありません。

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